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保育士の転職理由は、個人の状況や経験に応じて異なりますが、一般的な転職理由としては、職場環境や人間関係、給与面などが挙げられます。
キャリアアップやどうしてもその保育施設で働きたいなどのポジティブな理由でない限り、退職理由をどう伝えたらいいのか悩んでいる方も少なくありません。
この記事では、保育士の転職理由を面接での伝え方を解説します。具体的な例文を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
保育士の転職理由とは
保育士の転職理由として多いのが、以下の3つです。
・給与が低い
・職場の人間関係
・保育方針の違い
それぞれを詳しく見ていきましょう。
給与が低い
保育士の転職理由として圧倒的に多いのが、収入面での不満です。なかには基本給が10万円いかない園や、サービス残業が頻繁に発生する園、福利厚生が不十分で負担が大きい園もあります。
「こんなに働いているのにこの給与では納得できない」と感じ、モチベーションややりがいが低下するケースも少なくありません。改善に向けた努力をする園も増えていますが、再び同じ問題にぶつからないために、園選びを慎重にすることが重要です。
職場の人間関係
多くの保育士が抱える悩みのひとつに、職場の人間関係の難しさが挙げられます。女性が多い職場環境では、時には当たりがキツく、些細なことでも陰口が飛び交うケースも少なくありません。
名指しは避けつつも、同僚たちに対して「こんな先生もいるんですって」と言われたり、大きな声で仕事の指摘を受けるケースもあります。保育士業界は女性社会で、そのなかには嫌な一面も根強く残っています。職場環境に適応できないけど、子どもたちへの情熱を持ち続けたいという思いから転職を決意する方も多いです。
保育方針の違い
保育士として子どもたちの幸せを最優先に考え、正しい道に導いてあげたいという願いは共通です。しかし、保育園ごとに方針や価値観が異なります。一部の園では、損得勘定や家族経営による権力の影響が強く、保育方針が合わないと感じるケースもあるでしょう。
提案や意見を伝えても受け入れられない状況に直面し、子どもたちへの最善の環境を提供するために転職を検討する保育士も増加しています。
保育士の転職で面接官が特にチェックしている4つのポイント
保育士の転職で面接官がとくにチェックしているポイントは、以下の4つです。
・応募者の人柄
・仕事に対する価値観や熱意
・保育者としての経験やスキル
・退職理由(転職理由)
スムーズに転職できるよう、ポイントを意識しアピールしましょう。
応募者の人柄
面接官は、保育士としての適性や人間性を評価します。たとえば、保育士は子どもたちや保護者と密接に関わるため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。面接で子どもへの話し方や保護者との対応について具体的なエピソードを話すことで、自身のコミュニケーションスキルを示せるでしょう。
仕事に対する価値観や熱意
面接官は、応募者が保育士としての仕事に対してどれだけの熱意や責任感を持っているかを評価します。たとえば、保育士は子どもたちの成長をサポートする役割を担っています。面接では、応募者がなぜ保育士になりたいと思ったのか、子どもへの情熱や関心を具体的に述べることが重要です。自身の経験や子どもとの関わりから得られた喜びや、感動を挙げるのもいいかもしれません。
保育者としての経験やスキル
保育士の転職面接では、面接官は応募者の保育者としての経験やスキルを重視します。具体的に、どの年齢層の子どもたちと関わったか、どのような保育施設で働いたか、どのような責任や役割を担ったかなどが評価されます。経験の幅や深さ、成果や貢献度なども重要な視点です。
また、発達段階や心理的な特徴に関する知識、保育計画の作成や実施、子どもたちの安全管理、コミュニケーション技術、問題解決能力など、自身の専門知識や技術を具体的な事例や経験にもとづいて説明し、その信頼性や実践力をアピールすることが重要です。
退職理由(転職理由)
保育士の転職面接では、応募者の退職理由や転職理由が明確であり、説得力があるかどうかを評価します。自身の退職や転職の背景や動機を具体的に説明し、なぜ新しい職場で働きたいのか、どのような成長やキャリアの展望を持っているのかを示す必要があります。
その際、面接ではポジティブな要素を強調することが重要です。新しい環境での成長や挑戦、専門的なスキルや知識の獲得、職場文化や理念への共感など、前向きな要素を強調することで、面接官に自身の意欲やポテンシャルをアピールできるでしょう。
面接で転職理由の伝え方
転職理由別に、面接での伝え方を紹介します。
・人間関係で転職
・待遇面で転職
・将来を見据えて転職
・異業種から転職
保育士が抱える悩みや転職の理由は人それぞれです。ネガティブな理由でやめてしまった場合、面接でどんな風に離職理由を伝えたらいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
転職理由を伝える際は「ネガティブをポジティブに言い換え、前向きな気持ちを示す」ことが重要です。
人間関係で転職
面接において、人間関係を転職理由に挙げるのは望ましくありません。人間関係の問題は、誰もが抱える問題であり、採用担当者に「また人間関係を理由にすぐ辞めてしまうのではないか」「人間関係でもめごとを起こすのではないか」と思われてしまう可能性があります。
人間関係に悩みほかの保育施設へ転職した場合の、面接の伝え方を紹介します。
「前の職場では、立場によって発言のしやすさに差があるなど、保育士同士の信頼関係を築くことが難しい状況がありました。今後は、風通しのいい環境で、それぞれの意見を尊重し成長できる職場で働きたいと考え、転職を決意しました。」
これは参考例ですが、採用担当者にマイナスに思われない伝え方が大切になるので、面接準備の段階で転職理由はよく練っていくとよいでしょう。
待遇面で転職
お金がすべてではありませんが、仕事をするうえでモチベーションとなり得る給与や待遇の悪さで転職を考えている方も多いでしょう。ただ、待遇などの条件をストレートに伝えてしまうと、採用担当者によい印象を与えることはできません。待遇を評価と言い換えることで、頑張りを認めてほしいという前向きな気持ちが伝わりやすくなります。
給与などの待遇面に不満を抱えほかの保育施設へ転職した場合の、面接の伝え方を紹介します。
「前職では、能力や経験によって評価される制度がなく、自己評価でしか判断できず不安でした。このままではモチベーションの維持が難しいと判断し、自分の経験が目に見える形で評価される保育施設で働きたいと考えるようになりました。貴園では個々の成長を評価する人事評価制度が導入されていると聞き、自分に対する正当な評価も得られれば、さらに前向きに業務に取り組めると思い、転職を決意いしました。」
将来を見据えて転職
新しい職場や環境で学べることや成長できる機会を求めて転職を考えている場合、スキルや経験の向上を理由に挙げることが可能です。たとえば、新しい教育手法やプログラムに触れる機会がある園への転職を希望していると説明できます。
将来を見据えてほかの保育施設へ転職した場合の、面接の伝え方を紹介します。
「現在の職場では、新しい教育手法やプログラムに触れる機会が限られており、自身のスキルや経験の向上に制約を感じています。私は保育士としてより成長し、子どもたちによりよい教育を提供するために、より多様な学びの機会を求めて転職を考えました。」
異業種から転職
一般企業から保育の世界に魅了され、子どもたちと向き合う仕事をしたいと考えている方もいるでしょう。その際、転職先の園の保育方針や理念に共感を示し、自分の保育理念と結びつけることが重要です。
異業種から保育士へ転職した場合の、面接の伝え方を紹介します。
「私には子どもが1人おり、初めての子育てで悩んでいるときに支えてくれたのが保育園の先生でした。前職は事務職ですが、同じように悩んでいるママを支えられる保育士になりたいと思い転職を決意しました。」
面接で転職理由の伝え方【NG編】
マイナスな印象を与える言葉
一般的に、面接では相手にポジティブな印象を与えることが大切です。そのため、転職理由をそのまま伝えてしまうのはNGであり、避けたほうがよいでしょう。
ここでは、ネガティブな言葉の例とポジティブな言葉に変換する方法を紹介します。
ネガティブな言葉
転職理由は人によってさまざまです。ポジティブな理由もあれば、当然ネガティブな理由もあります。ポジティブな理由による転職は、たとえばキャリアアップです。自身のスキルを上げるために転職するので、企業にとってもプラスに映りやすく、採用率も高いでしょう。
一方でネガティブな理由は、待遇や給与、人間関係のトラブルなどが主に挙げられます。面接で注意したいのは、このネガティブな理由による転職です。そのままダイレクトに伝えてしまうと、採用担当にマイナスなイメージを与えてしまう恐れがあります。ネガティブな理由であっても、できるかぎりポジティブな言葉に変換して伝えるようにしましょう。
たとえば人間関係の不満で転職する場合、一緒に働くメンバーと連携を取りながら働きたい旨を伝えるとよいでしょう。業務負担を軽減したい方は「一人ひとりの個性と向き合いたい」、待遇を増やしたい方は「がんばりを正当に評価してもらいたい」というように、ポジティブな言いまわしにするだけでずいぶん印象が変わります。
受け身なフレーズ
ネガティブな理由に加えて、受け身な姿勢もマイナスな印象を与えやすいといわれています。とくに多いのが「勉強させていただきます」「学ばせていただきたい」などの言葉です。
一見すると意欲的なフレーズに思われますが、採用担当によっては受け身の姿勢に感じる場合があります。ただこればかりは個々の感じ方によるものなので、かならずしもNGな伝え方になるわけではありません。そのため、面接を受ける企業にあわせて使いわけるようにするとよいでしょう。
不安な方は、最初から使わないのが賢明です。そもそも、職場は学校ではないので「学ぶ」という言葉は不適切だからです。自ら積極的に動き身につける場所なので、受け身に捉えられる言葉は使わないように気をつけましょう。
テンプレートをそのまま使う
面接で何を伝えたらいいかわからない場合、役に立つのが例文やテンプレートです。もちろん使っても問題ありませんが、そのまま使うと誠意・熱意が伝わらないので避けたほうがよいでしょう。
例文やテンプレートはあくまで参考程度に、自分の言葉を盛り込んで伝えるようにしてください。
熱意が伝わらないため
面接を担当するのは、これまで多くの人材を採用へ導いてきたプロばかりです。そのため、例文やテンプレートをそのまま使ってしまうと、バレてしまう可能性があります。それどころか、誠意や熱意が伝わらずマイナスな印象を与えてしまいます。
例文やテンプレートは使用してもOKですが、賢く使うなら企業についてきちんと調べ、自己分析を行うことが大切です。なぜその企業を選んだのか、魅力も盛り込むとプラスになりやすいでしょう。「自分の言葉」で伝えれば、熱意や誠意は伝わります。
また、できるかぎり1分以内に納めるようにしましょう。伝えたいことがたくさんあるからといって、長々と話してしまうと不採用になりやすいので注意してください。テンプレートどおりではないのに不採用になってしまった場合、もしかしたら「話しすぎ」が原因かもしれません。
かならず聞かれること
テンプレートは丸暗記するのではなく、重要な箇所だけ取り入れるだけで十分でしょう。転職の面接では、退職理由・志望動機・自己PR・長所短所を聞かれるケースがほとんどなので、これらのポイントを抑えておくと採用率が上がります。
また逆質問も設けられるので、自信がもてる回答を準備しておくと安心です。たとえば「弊社に対して質問はありますか?」には「一緒に働くメンバーにはどのようなキャリア・年齢が多いのでしょうか?」「入社後すぐに担当する仕事はどのようなものですか?」というふうに答えるとよいでしょう。
まとめ
面接では、先に紹介した例文などを参考にしながら、自身の経験や理由を具体的に話すことが重要です。また、転職を考える動機や目標を明確に伝え、新しい職場でどのように貢献したいのかを示すと好印象を与えられるでしょう。
また、転職理由を伝えた後、採用担当者に質問すると積極的な姿勢をアピールできます。自身の成長やキャリア目標、新しい環境での貢献意欲をアピールし、前向きな姿勢で転職活動を行いましょう。
転職エージェントこちら!
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