【2023年】保育士の給料について 年収や年齢・経験年数・都道府県別にご紹介

公開日: 2023/12/01 最終更新日: 2024/04/12

保育士とは、専門的な知識と技術で児童の保育を行い、子どもを見守り育むという大切な仕事です。しかし「保育士の給料は少ない」「もっと給料がいい職場はないか」このように感じている保育士の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、保育士の給料について年齢や経験年数ごとにまとめました。保育士としての年収アップの方法なども紹介していますので、保育士として今後のキャリアに悩んでいる方は参考にしてください。

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保育士の平均年収は?

まずは、正社員として勤務する保育士の年収について解説します。

給料のしくみについて

保育園には「認可保育園」と「無認可保育園」の2つがあります。厚生労働省が管轄する児童福祉施設のことを認可保育園といい、国によって定められた基準を満たしていることが条件です。

認可保育園は「保護者が支払う保育料」と「自治体から支払われる補助金」から保育士の給料を支給しています。自治体からの補助金には、保育園の「利用人数」「子どもの年齢」などの条件により支給額が変動します。

保育園は、子ども1人あたりに必要な補助金として国が定めた「公的価格」から、人件費として保育士に給与を支払っています。そのため、雇っている保育士の人数によって、1人あたりの給料は少なくなってしまうという面もあります。

無認可保育園では自治体の補助金制度がないため、保護者が支払う保育料が保育士の給料のもとになっています。

保育士「正社員」平均年収

まずは、正社員として働く保育士の平均給与額を見ていきましょう。厚生労働省が調査した「令和4年賃金構造基本統計調査」から、保育士の給与・年齢・勤続年数などの平均値を紹介していきます。

・平均月給:26万6,800円(きまって支給する給与)
(男性:27万7,900円・女性26万6,100円)
・平均賞与:71万2,100円
・平均年収:391万3,700円
・平均年齢:38.8歳
・平均勤続年数:8.8年

一般的に、手取り額は額面給与(基本給・時間外手当など、会社から支払われるお金の総額)の75~85%といわれています。75%で計算した場合の手取りは、月給26万6,800の75%=20万100円、年収391万3,700円の75%=約293万5,300円になります。

保育士の「年齢・経験年数・都道府県別」平均年収はいくら?

ここからは、年齢・経験年数・都道府県別に保育士の平均年収を紹介します。

保育士「年齢別」平均年収

まずは、保育士の年齢別に平均年収を見ていきましょう。

年齢 月給 年間賞与等 平均年収
20~24歳 22万3,600円 47万4,100円 315万7,300円
25~29歳 24万2,800円 68万4,600円 359万8,200円
30~34歳 25万2,500円 66万6,400円 369万6,400円
35~39歳 26万6,100円 76万4,200円 395万7,400円
40~44歳 29万2,700円 85万4,200円 436万7,300円
45~49歳 27万4,900円 88万6,400円 418万5,200円
50~54歳 28万400円 80万700円 416万5,500円
55~59歳 28万2,800円 70万9,500円 410万3,100円

保育士の給料は、25歳あたりから徐々に上がっていき、40代が一番給与が高くなっていることがわかります。また、役職を退いたり、残業の時間を短くするなどの要因により、50代からは年収が少なくなっていく傾向にあります。

保育士「経験年数別」平均年収

次は、令和4年賃金構造基本統計調査から、経験年数別の平均年収を見ていきましょう。

経験年数 月給 年間賞与等 平均年収
1年未満 21万9,400円 46万8,000円 310万800円
1~4年 23万1,600円 56万7,300円 334万6,500円
5~9年 24万8,800円 65万5,400円 364万1,000円
10~14年 25万9,900円 73万6,000円 385万4,800円
15年以上 29万9,800円 98万6,900円 458万4,500円

これにより、経験年数が長くなるにつれ給与も上がっていくことがわかります。経験年数が15年を超えると、初任のときと比べて年収は約148万円高くなっています。

長く勤務を続けると、主任を任されたり園長などの役職に就いたりする方も出てきます。それにより、賞与や手当などの支給額が高くなり、平均年収が大きくアップすると考えられます。

保育士「都道府県別」平均年収

次は、保育士の平均年収を都道府県別に見ていきましょう。

都道府県 額面給与額 賞与 年収
1位「東京都」 30万2,000円 88万4,300円 450万8,300円
2位「京都府」 29万5,400円 90万4,800円 444万9,600円
3位「神奈川県」 30万7,600円 69万8,500円 438万9,700円
4位「石川県」 26万7,200円 111万9,400円 431万2,600円
5位「青森県」 26万1,400円 106万3,600円 427万円
6位「大阪府」 29万9,600円 884万6,000円 424万4,200円
7位「鹿児島県」 26万5,300円 88万6,000円 406万9,600円

都道府県別で見ると、保育士の平均年収が一番高いのは東京都です。7位の鹿児島県と比べると、約44万円の差があります。

これにより、都道府県によって保育士の収入に違いがあることがわかりました。転職を考えている方は、各都道府県の給与についてきちんと調べておくといいでしょう。

公立保育園と私立保育園の年収は違う?

ここからは、公立保育園と私立保育園の違いと、それぞれの給料事情について紹介していきます。

公立保育園とは

公立保育園と私立保育園は、運営している主体(自治体・法人・企業など)が大きく違うという特徴があります。

公立保育園は、地方自治体が運営する保育園で、公立保育園で働く保育士の立場は地方公務員です。公立保育園に勤めるには、公務員試験を受験します。

保育士の資格を取得し、地方自治体の保育士採用試験に合格する必要があります。一般職と同じく、採用には年齢制限がある場合があり、転勤の可能性もあるため注意が必要です。

私立保育園とは

私立保育園は、学校法人や宗教法人(お寺など)、民間企業などが運営しています。

私立保育園に就職するには、運営主体の採用試験を受ける必要があります。施設によって採用基準はさまざまです。就職を希望する保育園の情報は、事前にしっかりと収集しましょう。

私立保育園の待遇も、保育園を運営する法人によって変動します。福利厚生や昇給・昇格は、それぞれの園によって異なりますので、転職や就職の際は求人をよく確認することが大切です。

収入が多いのは公立?私立?

基本的な月給に大きな差はありません。しかし、役職に就いて昇給していくと、私立保育園よりは公立保育園のほうが給料は高くなる傾向があります。公務員は年功序列が根強く、経験年数を経て昇進し、それにともなって給料も上がっていくようになっています。

私立保育園は法人ごとに待遇はさまざまですので、園によってはキャリアアップが望める場合もあります。月給のことはもちろん、福利厚生や手当、勤務時間、転勤の有無など、働きやすい環境であるかも同時に考慮することをおすすめします。

保育士の年収をアップするには

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保育士が給料を上げる方法は「資格を取る」「キャリアアップを目指す」「待遇のいい職場へ転職する」主にこの3つがあります。ここからは、年収アップをするために必要なことについて解説していきます。

資格を取る

保育園によりますが、資格を取得すると手当をもらえる場合があります。保育士として役立つ資格はたくさんありますが、保育士から人気のある資格を厳選してご紹介します。

絵本専門士:絵本専門士は国立青少年教育振興機構が認定する資格です。絵本に関する知識や読み聞かせの技術を備えている専門家であることが求められます。技術だけでなく、子どもの笑顔を引き出す感性が必要です。

リトミック指導者:リトミックとは、音楽を使った子どものための教育手法のことです。スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズが開発した音楽教育メソッドで、心と体の調和が取れる効果をもたらします。

チャイルドマインダー:チャイルドマインダーとは、信頼される家庭的・少人数保育のスペシャリストのことをいいます。忙しい両親の代わりに、自宅などで子どもの保育をする仕事です。

運動保育士:運動保育士とは、運動と保育の専門家のことです。子どもの発達に合わせて運動遊びの指導をします。運動遊びにより、子どもの身体能力の向上と自発性を高めることを目的としています。

資格を取得すると、転職などにも役立ちます。さまざまな種類がありますので、興味のある資格があれば取得を目指すのもいいのではないでしょうか。

役職につくなどキャリアアップを目指す

保育士の年収をアップするには、役職につくなどのキャリアアップを目指す方法があります。保育士の昇給は、一般的に経験年数によって少しずつ上がっていく仕組みです。

年功序列型で昇給していく保育士の給料ですが、施設によって昇給の仕組みが違います。公立保育園では、勤続年数によって毎年昇給があり、安定した給料アップが期待できます。一方で私立保育園の場合、法人ごとのルールによって昇給が行われます。

また、昇給するには主任などの役職に昇格することが近道です。政府の保育士処遇改善施策により「副主任保育士」や「専門リーダー」などの役職が新たに設けられました。これにより、役職につくチャンスが増え、さらに給料を上げることが可能です。

待遇のいい職場へ転職する

保育士が年収を上げるには、待遇のいい職場へ転職するのもおすすめの方法です。昇給には役職につくなど、昇格することが必要です。しかし「ポジションに空きが出ない」「昇給や昇格の制度がない」など、働いている保育園によってはキャリアアップが難しい場合もあります。そんなときには、転職を検討してみましょう。

公立保育園の場合、公立保育園の間で転職しても給料に差はほぼありません。しかし、都市部の保育園のほうが給料は高いという傾向があるため、地方にお住まいの保育士さんであれば、都市部への転職はキャリアアップにつながる可能性があります。

また、福利厚生が安定している公立保育園は、通勤手当などの各種手当が手厚いため、総合的な給料アップにも期待ができます。

私立保育園のなかには、給料が高いなど好待遇の園もあります。職場環境や福利厚生などをもう一度見直し、キャリアアップを目指すには転職も視野に入れておくといいでしょう。

保育士の給料は今後どうなる?

保育士の給料は、今後どうなっていくのでしょうか。現在、国による保育士の処遇改善が行われており、月に9,000円の賃上げが実現しています。これだけではなく、さまざまな施策が進んでいる最中です。

ここからは、国による対策について解説します。

国の施策により保育士の処遇が改善

保育士は、子どもの命を預かる大切な仕事であるにもかかわらず、給料はあまり高くないという点が問題視されてきました。そこで保育士不足を改善するために、国による待遇改善が行われています。

2015年に政府が新設した「処遇改善等加算」には3種類あり、加算の内容が異なります。「処遇改善加算 加算Ⅰ」は、保育士の確保や保育士の資質向上のために導入されました。勤続年数やキャリアアップなどの要件により、加算率が上がっていくシステムです。

保育士のキャリアアップに取り組む施設に対して支給される補助金であり、要件を満たしている保育園に勤務する正社員・パートやアルバイト(1日6時間以上・月20日以上就労)も対象となります。

「処遇改善加算 加算Ⅱ」は、保育士の処遇改善を行う施設に対して、キャリアアップなどに必要な費用を補助する施策です。これまでは「園長」や「主任保育士」など、役職が少なかった保育士ですが、この施策により「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」という役職が新たに設けられました。

認可保育園などに勤務する正社員(園長・主任保育士以外)と、パートアルバイトの方が対象となり、各キャリアアップ研修を修了することが条件です。これにより、昇格というキャリアアップへの道が増え、給料アップが期待できます。

「処遇改善加算 加算Ⅲ」は、保育園で働く方の給料を上げるため、施設に対して補助金を支給する施策です。2022年2月から実施され、1人あたりの月給が約9,000円加算されました。

保育士、幼稚園教諭、事務員、栄養士など、対象となる施設で勤務する方が対象です。また、正社員だけでなく、パートやアルバイト(1日6時間以上・月20日以上就労)も対象となります。

キャリアアップ研修

前述の通り、キャリアアップの処遇改善により新たな役職が3つ新設されました。それぞれどのような役職なのでしょうか。

前提として、新設された役職に就くためには保育士の経験が3~7年以上必要であり、キャリアアップ研修を規定の数だけ修了することが条件です。キャリアアップ研修は「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」の6つがあります。

職務分野別リーダー:保育士経験が3年以上必要で、6つのキャリアアップ研修のうち該当する分野の研修を修了した方が就くことができる役職です。

専門リーダー:保育士経験が7年以上必要で、職務分野別リーダーを経験していることが条件です。また、6つの研修のうち4つ以上を修了しなければなりません。

副主任保育士:保育士経験が7年以上必要で、職務分野別リーダーを経験している必要があります。また、6つの研修のうち3つ以上の研修とマネジメント研修を修了することが条件です。

職務分野別リーダーになると、月給で5,000円の加算が見込めます。さらに上の役職である専門リーダーや副主任保育士は、月給4万円ほどが加算され、いずれも年収をアップすることが可能です。

まとめ

保育士とは、子どもとふれあいながら、子どもたちが成長していく姿を近くで感じることができる素敵な職業です。やりがいもあり、社会に必要な仕事ですが、年収は低い傾向があります。

しかし、国による保育士の処遇改善対策など、保育士の給料が今後上がっていく可能性はあります。また、資格取得などキャリアアップを目指すことで年収アップを狙えます。

年齢に関係なく働けることに加え、経験が増えるほど給料が上がっていくところが保育士のメリットといえます。公立の保育所など、安定して勤められる職場もあります。

現在の給料が少ないことに悩んでいる方は、今の職場より好待遇の職場を探してみるのもいいのではないでしょうか。

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